2014年2月24日月曜日

【ITの話】映画「サマーウォーズ」について、元情報系学生の考察 Phase - 1 暗号化編




ということで。
ストーリーには全然触れずにIT系の話で固めようと思う。

実際僕は頭でっかちなので、そういう頭でっかちな人の批判だと思ってもらっていいし、
だけど不確かな妄想で語るつもりもないので、よろしく。




付け加えておくけど、PCかじりたての人や
オフィスソフト使ってるようなEUCの人向けの記事ではない。
けれど、誠心誠意伝わるようにリンクも交えて書いているから、
どうか辛抱強く読んでほしいと願っている。


暗号化の話なので数学好きな人は興味を引かれると思う。



また、暗号化という技術は誰でも知っておかないと、少なくとも得はしない。
PCを使う人間は誰でもそうと知らずに使っているし、もはや切っても切れない関係だ。



なので、今回は僕にしてはかなり珍しく”ガチに”語ってみようと思う。
僕の熱いハートを感じてくれ。










さて
まずは暗号解読の話。

あれは公開鍵暗号方式の話だよね。
まあごく一般的な暗号方式であって、セキュリティの種類によっては
世界1位のスパコンであっても突破には天文学的な年数が必要なのだけど、
映画では「0~9までの数字のみ」を使って、
あっという間にクラッキングを成功させてしまう。


バカかお前は。



暗号として数字しか使わないというのが、
映画のプロではあってもITのプロではないんだなというのが伝わってしまう。
せっかくクラッキングが成功するのかしないのかという熱い戦いなのに、
そこは手を抜かないでほしかった。


Lhaplus」という圧縮ソフトに含まれる暗号アルゴリズムを紹介してみる。




文字列 ”【ITの話】映画「サマーウォーズ」について”


「=?ISO-2022-JP?B?GyRCIVobKEJJVBskQiROT0MhWzFHMmghViU1JV4
hPCUmJSkhPCU6IVckSyREJCQkRhsoQg==?=」


文字列 ”0~9までの数字のみ”


「0=?ISO-2022-JP?B?GyRCIUEbKEI5GyRCJF4kRyROP3Q7eiROJF8bKEI=?=」




実際のところ0~9までだと1つの数字には4bitで済む。
ところが大小英数字だと、1つの文字に6bit必要だ。
比べればなんてことはない、たった2bitの差だろうが、と思うかもしれない。

だがこれは1文字だけの場合の話だ。かりに数字のみの暗号文が50文字だとして、
大小英数字の暗号文が50文字だとすると、数字は合計で200bit。
大小英数字の暗号文では300bit。



EUC業務の人間または開発分野を知らない人は、
それでもたかだか100bitの違いだと言うだろう。

「差が100bitだからなんだと言うんだ、さっさと結論を出せ」


100bitとは、2の100乗である。つまり、
「126穣7650杼6002垓2823京8993兆0375億6641万0752」倍の情報量があるということだ。
数字のみのセキュリティを突破するのにかかる時間の、さらに100乗ということである。


だから、サマーウォーズは、いち技術者としては非常に危険な思想操作であり、
IT分野という業種に対して大幅なイメージダウンにつながるものであって、
セキュリティは簡単に破られるものだという間違った情報を刷り込んでいる映画だ。










で、数字ベースで世の中回っていたとしよう。
かりに、RSAAESもすべて数字のみで構成されているとしよう。
  ※暗号化の計算過程ではすべて数値で計算されるが、この場合は出力結果を指す


AES暗号を使ったWPA2-AESは
”いかなる手段を持ってしても絶対に解読できない実用的暗号”として有名。

量子暗号が最強だという人は、ワクワクするのはわかるけど、
IT分野を語るなら、現実逃避はよくないんじゃないかと思う。
それ、実用化されてねえし。悪いけどITって脳筋の世界じゃねえから(イライラ




話がそれた。

えーと、数字だけで無理やり通そうとすると、できるにはできる。マジにね。
やり方によっちゃ、クラッキングされないようにすることもできる。

それが、”暗号化キー更新間隔”。
一定の時間経過ごとに暗号化キーをそっくり変えてしまうというもの。
これによって、たとえ解読が目の前だったとしても、更新されることで努力が水の泡になる。
コリャ便利~!





映画の話にすると、数学チャンピオンたちが暗号文を解読している間に、
たとえば更新間隔を1分ごと(実際の運用はかなり厳しいが)にすることで、
少なくとも映画の中では破られない。





それだと映画としてはつまんなくなってしまう。
公式ばかりに基いていては、ワクワクする映画なんて作れるはずがない。
だから、公式を書き換える。現実を曲げる。僕はそれがヒジョーに気に食わない。
特に、僕の関わっている分野についてはアレルギー状態だ。







おもしろくしたいから、人間にセキュリティを簡単に突破させる。
しかも、世界最高レベルのセキュリティとか言ってんのよ。もうね……
もう…





はあ。
ということで細田守は非常にパッションで脳筋な人間だということです。まとめ。
ドライマンゴーでも食ってろ。





Phase - 2は何書こうかな。
じっくり考えてみます。






またねーん。