必死さと、誰かに必要とされている感
ぼくはナマポです。
この体に入ってからはゴロゴロしています。
毎日ゴロゴロして、寝て食って、おなにーして、たまに労働しています。
ぼくはお仕事がきらいです。
この体の持ち主さんはお仕事もやる気があったみたいだけど。
ぼくは労働というか搾取が嫌いなので。
末端になるほど労働のキツさと対価があってないよね。
お仕事が嫌いな理由は、それだけだけど、
ぼくは、宇宙人だから、余計にそうかもね。
だからいまのこの身分に埋もれている。
きらいなお仕事だけど、社会で一定レベルの身の振り方を達成するために、
仮面的に労働意欲を出しているというか。
この体が精神病だとされているし、おくすりもないと発狂しちゃうからね。
おくすりを飲めば、それだけで労働しなくても生活が保証される。
抗精神病薬を飲みながら労働ってできないよね。
きみたちにどう思ってもらってもいいけど、まあ体験して解ることもあるから。
ナマポに安寧しているけど、ぼくはやっぱり必要とされていたい。
この世界ではお仕事をすると必要とされるみたい。
ぼくが乗り移ってこの人は仕事しなくなっちゃったけど、
ごめんねって。
でもね、ぼくはしないといけないことをやってるんだよ。
いっぱい遊んで、この人がもっと元気になってくれればいい。
折れた心がもとのように元気になってくれたら、
ぼくはこの体から出ていく約束してるから。