線香を焚いても、香を焚いてもそれは同じじゃ。
煙よりは香りよ。香りこそが重要なのだ。
線香は煙より香りじゃ。
線香の煙を好く奴といえば主の体に憑いてる霊よ。
お前達は儂らほど香りを重視しない。
儂らは香りが好きじゃ。そのへんはお前達も知っておる霊格によって様々じゃ。
霊格が低ければ香りを重視しない。高ければ重視する。
ということだ。
どうなるのか、というと少し難しいが、
お前達の格が少し上がって、その線香を焚いている間は
霊格やその他が少し上がる。
しかし焚くのを止めればそれは戻ってしまう。
しかし焚き続けていれば、もっと違う世界から挨拶が来るようになる。
焚き続けることじゃ。
お前達は財をけちって少しでも安い香を焚こうとしておろう。
それは儂らに心が通じないぞ。儂らはお主らが焚いてくれるのを待つのだが、
もしお主が儂たちに心を向けてくれれば、もう少し良い香を焚いてくれ。
それをしてくれれば儂らは御礼を申してあげよう。
つまりいいようにしてやろうということだ。
安い香はお前達の身にしかならんが、
儂らはもっと良い香を求めて、あちらに憑いたりこちらに憑いたりする。
匂いに儂たちが惹かれてくるのを知っておるだろう。
香は安いのは儂はよくないと思っておる。
遺族を思う気持ちは重要じゃが、
遺族以外のものも連られて来るでな。
お主ら、だから香は重要なのじゃ。
安いのを焚けば、安いものが来る。
高いので儂らに心を見せよ。
そうすればお主らのいいようにしてやる。